白衣の独り言

良いことも悪いことも、人生には必要みたい。それでもやっぱりできるだけ、悪いことは少なめであって欲しいから、みんな頑張っているんだね。

2011年7月9日土曜日

インシデント・アクシデント

こんばんは、都です。

昨日から七夕祭りが始まりました。

10日までなのですが、10日の救外夜勤である私。

きっと腹痛だの喧嘩で怪我だのがたくさん来ることでしょう・・・。


さて、

インシデント・アクシデントレポート、看護師ならきっと一度は書いたことがあるはず。

一年たって一度も書いたことがない、って人いたらすごいなぁ(いろんな意味で)

一番多いのは、きっと転倒かな?

次は点滴の滴下とか?? 薬の間違いとか??

明らかに看護師のミス、というものもあれば、そうでないものもあります。



認知症があり、自分で体動できる方。

夜勤で行ったら、腕に1cm程度の皮膚剥離がありました。

患者さんに尋ねても、意思疎通はできなくて、

動いた拍子に、きっと柵か何かにぶつけてしまったのでしょう。

でもフレッシュな出血もないし、とりあえず洗浄、アズノール、ガーゼ保護。

翌日WOCもみてくれました。


さて、

こういう場合、インシデント・アクシデントレポート、書きますか? 

書きました。はい。

責任の所在はどこにあるのか? と尋ねられたら、私ははっきりとは答えられません。


高齢ではあったけれど、認知症もなくレベルもクリアでADL自立な方が、

ある患者さんが急変してそちらで看護師が処置している間に、点滴棒につまずき転倒してしまった。

もちろんレポートを書くでしょう。

でもどうすれば良かったのでしょう? 点滴棒を持たせず、尿器でも使うべきだった? ADL自立なのに? 羞恥心の問題にもなります。ではNsコールを押してもらい付き添うべきだった? そんなレベルの方でもない。 環境整備といっても、ベッドがあり消灯台があり、別に何か物を起きすぎていたとかそういうわけでもなく、他の方々と条件は同じ。

ただ起きてしまった事実。

レポートは誰の責任かを判断するためのものではありません。

皆で共有し、次に同じことが起きないよう、反省の意味も込め、振り返る為のもの。

けれど看護師が防ぐには予測の付かない、どうすることもできないことだってあります。


日々、世間の方々は抑制はしない方向に動き出している。

では、抑制をしないで患者さんの安全を、私達はどうやって守るのか。

簡単だからと安易に抑制してしまうのはもちろん、いけません。

けれど、どうやっても、抑制しなければ安全が守れないときだってある。

いや、どんな状態であっても、抑制をしない方法だってあるのだと、

そう言えるのは現場を知らない外側からしか物を見ないひと。

酸素マスクを外してしまう人を、どうやってみていきますか?

抑制せず、ご家族を呼びますか? ご家族がこれなかったら? 付き添えなかったら?

眠剤を使いますか? 呼吸抑制がくるかもしれない。


私達は日々、事故が起きないよう、できる限りの対処を考え、それを実践していきます。

それでもおきてしまう事故。

私達のミスであるときもあれば、どうしようもないこともある。

患者さんの全てをみるというのならば、看護師の数は圧倒的に少ない。


けれど、どうしようもないねぇ、で終わらせてはいけないことも事実。

看護師の責任ではないかもしれない。

それでも私達がインシデント・アクシデントレポートを書くのは、

それを書くことで自分達に知らしめる為でもあります。

私達にはどうしようもできない事もある。

それでも、なんとかできる可能性があるかもしれない。

まずは一度、どうすれば良かったのか、考えよう。

私達の責任ではないのだと、最初から放りなげちゃ、いけません。

それでもどうしようもなければ、あぁこれはほんとにどうしようもないことなんだね、とレポート書きながらひとつ溜め息を付けば良いのです。



ちなみに私が初めて書いたアクシデントレポート。

新人の時、廊下を歩いていたら、先輩が受け持っていた大腿骨頚部骨折の手術後1時間くらいの認知症の患者さんが、正座していたのを見かけました。

先輩に言ったら、笑顔で「アクシデントレポートだね」と言われました。

私受け持ちでもなく、ただ見つけて報告しただけ。受け持っている先輩は、何も書かず。

理不尽だ、まずそう思いました。

今でもそう思います。

でもあれは反面教師。自分がそうならなければいいんです。

理不尽なことは往々にして世間に蔓延っているもの。

不貞腐れたままでは前に進めません。


どうしようもない事だったり、発見しただけなのにレポート書かされたって、「これって私のせいなの?」なんて、苛々しちゃいけません。

だれの責任でもないけれど、書かなければならないこともある。

同じ事故が、これからできるだけ起きないように。


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