白衣の独り言

良いことも悪いことも、人生には必要みたい。それでもやっぱりできるだけ、悪いことは少なめであって欲しいから、みんな頑張っているんだね。

2008年5月8日木曜日

いらんちぇ

↑わかります?

   「いらんちぇ」

私はこの言葉を最近何度も聞きました・・・ある患者さんから。

方言のようです。

   「いらんちぇ」 = 「いらない」

さてこの患者さん、何いらないんでしょう?


 ご飯。


もともと食欲不振で脱水で入院してきた70代の男の方。
最初のご飯は、しばらくぶりに食べるからかセッティングだけで自分でおいしそうに8割食べてました。

ところが、翌日から・・・

「いらんちぇ!」

が始まりました・・・。

ついでに手も出てきました。 ∑(゜ロ゜)

食べましょ、とスプーンを差し出すと、ぱしぃっとはたかれちゃいます。

「いらんちぇゆうてからにっ」 (っ`Д´)っ・:∴

お怒り。

認知症もあってからか、それまでにこにこしてても不意に怒り出します。

ご飯は明らかにそのスイッチ。

よくよく聞くと、グループホームにいたときにお向かいの人が食事のとき嘔吐したようなんです。

それを見てからご飯が食べられなくなったとか。

 ・・・繊細なのね・・・。( 'ノω')

拒薬も始まってしまって、仕方ないので医師に相談。
心身科にかかることになりました。

ところがびっくり。

心身科の先生が来ただけで、食事を食べるようになったんです。

先生の診察に同席していた家族が言うには、先生がとても優しくて、穏やかで、話をしていて患者さんがほっとしたんだとか。

そんなに心身科の先生って凄いのか・・・と思っていたら、翌日にはまた「いらんちぇっ!」が出現。

最終的に心身科の薬を増量。

穏やか~になり、「いらんちぇ」も聞かなくなり、彼は食事を食べるようになりました。

薬って凄いね・・・でも本当は、私達が心身科の先生みたいに優しく、穏やかに彼と関わっていれば、薬を増量する必要もなかったのかなぁ、なんて反省してみたり。


ちょっとだけ彼の「いらんちぇっ!」が懐かしい、今日この頃です。


ご飯は大事。でも最近私過食気味・・・。 ↓皆さんの元気なブログへ↓
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2 件のコメント:

Anonymous 匿名 さんは書きました...

都さんこんばんは。お年寄りはいろんな人多いですよね。でもとぼけているようで結構敏感な人多いです。
ところで都さんも同業なら見られたと思います。確かに悪いことです。裁かれなければいけないでよう。でも人のために働いていたのです。少なくとも悪い人には見えませんでした。ぼくは病棟でよくしてもらいましたから。でもショックでした。

2008年5月11日 23:08  
Blogger  さんは書きました...

神風さん>
実際のところ、お年寄りのなかには、わざと認知症のふりをしている方も稀にいるようです。入院中ずっと認知症を装って看護師の対応を逐一記録して退院の時にその紙を置いていった、という方もいたと聞きます…。相手がぼけていると思って酷いことを言ったりする看護師も。
どんな方であれ、人と接するときは敬意をもたないと…。

2008年5月15日 11:54  

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