白衣の独り言

良いことも悪いことも、人生には必要みたい。それでもやっぱりできるだけ、悪いことは少なめであって欲しいから、みんな頑張っているんだね。

2009年7月9日木曜日

90代の夜


今日も、夜勤明けの都です。

昨日は内科二次。

内科二次では入院がたくさん来るのが通常です。夜のため、日勤帯で転棟させたりして入院患者さんの数を減らしてくれます。

ところが、昨日は意外と最初から患者さんの数が多くて、

おまけに、最初から、メンバーさんの一人を心臓カテーテル検査に持ってかれて、

私一人。20時半まで、寂しくお仕事。

その間に二人の入院。一人は痙攣発作の方で、ちょっと大変。

そして、そして。

99歳のおじぃさまがやってきました。

「あたしゃね、99歳なの! 誕生日は1月31日だよ。来年生きてたらプレゼントちょうだいよ。何、こっちのベッドいくの? 全く老体に鞭打たせるねぇ」

おじぃさま、とってもレベルクリア。ストレッチャーからベッドへの移動も自分でばっちり。

なんて元気なんでしょう。・・・39.8度も熱がありますけど。

SpO2、70台ですけど。

血培の指示をもらって採血をしていると、外来でMRSA検査のため鼻の奥に麺棒つっこまれたのを覚えているようで

「鼻の検査したり、血の検査したり、大変だねぇ」

あら。ほんとクリアな方。

ご家族が言うには、自宅でのADLも自立、排尿の失敗も今まで一度もなかったそうです。

良かったー自立の方で。

・・・なんて、ここで安心してはなりません。

絶対、なる。

なる気がする。

・・・・・・と思って警戒してたら、案の定、なりました。消灯後。

不穏。

「ちょっと! 部屋が違うんじゃないの? 本棚がないじゃない。 え? 入院してるの? あーそうか・・・入院してるのか・・・。・・・・・・ちょっと部屋間違えてんじゃないの!?」

あぁ・・・お口はばっちり達者。というか熱で若干ハイになってます。

入院してることを説明するとそのときは納得。でもすぐにまた「部屋が違う」と繰り返します。

頑張ってベッド柵を乗り越えようと足を柵にかけます。一度は前のめりに倒れそうになっているところを発見、倒れてきたところをキャッチ!

「いやぁ若い子に抱きついてもらえるなんて嬉しいよぉ」

おじぃさま。そりゃセクハラです。

そしてこの方の隣にいた90歳代の急性硬膜下血腫の方が、それに触発されて大騒ぎ。

いつのまにかベッド柵から足を出してそのまま立ちあがろうとしている。

「トイレ行くんだよー」

いやいや。ちょっと。待ちましょうよ。

あなたBa入ってるし。

・・・・・・ていうかそこ引っ張らない!!


あぁ・・・90歳代の不穏パーティー。


あっちが起きればこっちも起きる。

こっちが点滴抜けばこちらは酸素。

うん、酸素ね、してないとね、凄く辛いですから。酸素、自分で外して自分で「苦しい」と叫ぶの、やめましょうよ。

そして大失禁に点滴の脱血に、抜去に、また失禁に。

もう一人のメンバーさんと「私達今夜いったい何回この方達のシーツ交換と更衣をするんでしょう・・・」

一人3回ずつさせていただきましたけどね。

二人ともお薬を使って少し眠りましたが・・・トイレでおきてしまうのが難点。かといって抑制するともっと煽ってしまう感じ。

朝になったら肝性脳症の方と肺炎の方が入院。

そちらにかかっている間にも、彼らのパーティーは続きました。

うん。いやいや。あの。

さすがに、疲れました。

肝性脳症の方は、今にもという危険な状態。血圧はイノバンという薬をMAXで使って頑張って90台。今後の方針が決まらないまま奥さんが帰ろうとして、なんとか引きとめ。

日勤者への申し送りも、なんだかばたばたしてしっかりとできなかった・・・。

恐るべし、90代。

今回の夜勤はおじぃさま二人にやられた感じでした・・・。


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