白衣の独り言

良いことも悪いことも、人生には必要みたい。それでもやっぱりできるだけ、悪いことは少なめであって欲しいから、みんな頑張っているんだね。

2009年5月28日木曜日

頑張れ男の子


さて、

うちに新人はいませんが、彼氏のいる病棟には男の新人君が来たようです。

どうやら現役ではなく年齢は24歳。遠目で見たことがありますが、ちょっと締まりのない感じ。

いつもにやにやしているそうです(失礼)

そんな彼、

先日、突然号泣したそうです。

突然。

受け持っていた患者さんが転倒したそうで、主任に「じゃぁ師長に報告しに行こうか」と言われた途端。

大号泣。

別に主任、彼を責めたわけじゃありません。

看護師ならわかる方が多いと思いますが、転倒は全てを防ぐことはできません。予測不可能なときだってあって、そのときも彼の責任というわけではなかったようです。

なのですが・・・。

遅出で出勤したうちの彼氏。男同士なのだからと突然彼の慰め役に抜擢。

「えっ? えっ? なんで? いやまぁそういうときもあるさぁ」

焦ってとりあえず彼をなだめて。

ちょうどお昼時、休憩交代で看護師の人数半分、ご飯を配り食事介助もしなきゃならない。

そんなときに一人号泣、頼みの綱はそのフォロー。

きっとびっくりしちゃったんだろうねー。なんて・・・

残念ながら温かい目で見守ってくれる程、看護師は看護師に優しくありません・・・。

その後の新人君への風当たりは更に厳しいものになったとか。

しかし

私だったら、ちょっとドン引きかも・・・。

うーんやっぱり私もちょっとやな先輩なのかな。

泣きたくなることはたくさんあるでしょう。先輩にしかられたり患者さんにしかられたり。

仕事中に泣くなというのも、今までの経験からすれば難しいこともわかってます。

でも

今回の理由って

・・・・・・

さすがに・・・どうなの、男の子。

もうちょっと頑張りましょう・・・。


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2009年5月21日木曜日

インフルエンザ


今、世間はインフルエンザの話題が絶えません。

拡大の速さは、本当に怖い。

既に、うちの病院でもマスクは備蓄のみになっています。

病院の売店も、小売の高価なマスクが少量残っているのみ。

自動販売機でも売っていたんですが、もう追加補充はないそうです。

患者さんが病院に来ても、マスクは手に入らない状態。

看護師達も毎日病院のマスクを使って仕事をしていますが、以前のように少し汚れたからといってすぐ交換、というわけにはいかなくなってきました。

先日救急外来の担当をしたときも、来ました。インフル疑い。

直接病院に来てしまった方なのですが、インフルの症状が濃厚。更に、最近阪神戦を見に行って関西方面の人達に揉まれてきたとか。

先に患者さんに保健所に電話してもらい、こちらの病院にかかっても良いという確認をとってもらってから、診察しました。

とはいえ、他の患者さん達と一緒に待たせるわけにもいかず、検査結果がでるまで自分の車で待機してもらいました。

結局、検査結果は陰性でほっとしたんですが・・・それ以外でも、この数日で問い合わせの電話が多く鳴るようになりました。

感染者が出ていなかった間、テレビと会社の上層部は騒いでいましたが「まーうちには出てないしねー」とほとんど傍観者&他人事だったという日本人。

それが今回感染者が出始めて、日本は他国から騒ぎすぎとも言われています。

海外でマスクをしている人達はあまりいないようで、その代わり手洗いうがいをする。

確かに、かかったとしてもたぶんこれだけ騒がれているので早めに気付き早めに受診するでしょう。そうすればほとんどの方は軽快に向かいます。

高齢だったり持病があったりする方は危険ですが・・・。

他国に騒ぎすぎと言われようが、予防は大切。

更に、もし自分がかかっていたとしたら、周りに感染させる危険もありますし・・・。

ネットオークションでは、マスクが10倍の値段で売られている始末。

そのうち、こういう病気への恐怖心につけこんで変な商売まで始まりそうです。


インフルエンザが流行し始めたときに何故マスクの会社の株を買わなかったのか。

うちの看護師達はそんな不謹慎な事を話しています・・・。


そしてとうとう、近くの市民病院が今日から発熱外来を始めました。

これが、13時までに60人が殺到という状態。

うちでも、もうすぐ発熱テントを開始する予定を立てています。

でも、この発熱テント。全くもって非現実的。

外にテントを張り、インフル疑いの患者さん達に対して病院の中に入る前にインフルの簡易検査を行うというものなのですが・・・

外は非衛生的。かつ、無防備。

結果が出るまでどこで待つのか。上で書いた患者さんみたいに、皆が皆、車で来院するわけじゃない。
もうすぐ季節は梅雨。雨が降ったらどうするのか。みんな病院の中に入って検査結果を待つのでは。

更にその発熱テント。いったい誰が働くのか?

ぎりぎりです。うちの病院の看護師。

どこも手が足りない状態で、公休さえも全員取りきれていない状態で、これ以上どこに人出を出せる余裕があるのでしょーか。

そして、新型とはいえ毒性は弱いこのインフルエンザ。医療者からみれば、よほど脱水だとか症状が重くない限り通常のインフル同様、タミフルかリレンザ処方で自宅で療養というのが基本。

今は日本は原則入院にしているようですが、今後自宅療養になる方も出てくるでしょう。

その説明に、患者さんやご家族が納得するとは思えません。

うちに感染病棟はありません。個室だってほとんど空いてない。そんな中で、入院適応な方が出たら。或いは、適応ではなくても入院を強く希望する方が出たら。

「新型」=未知という恐怖は、パニックを起こす引き金になります。

もしそばで「怖いわねー」とか一緒に話しながら検査結果を待っていた隣の人がインフル陽性だったら・・・。


それでも地域中核病院、急性期総合医療を担う総合病院として、発熱外来に準じた対応をしなければいけないという方針を打ち出したうちの病院。

このインフルエンザは、どこまで影響をばらまくのか・・・。


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2009年5月13日水曜日

聞いて欲しい CF当日編

さて、

前回の続きです。

一晩が明けて検査当日。

多分長くなるだろうと、他の患者さんを回ってから朝の内服を持って訪室。

したら、第一声、

「私が昨日文句を言ったのはね、入院のときと昨日の状態では全く違うということなんですよ! 下痢をしていて更に下痢をさせるなんて、酷いじゃないですか!」

・・・・・・

大腸の検査を望んだのは彼で、

下痢は大腸検査の前処置どうの以前に彼が便秘だからといって飲んだ下剤のせいであって、

CFのためにはちょうどいいといえばちょうどいい状態であり、

結局検査のためには下痢をしなければならないのであってその説明も医師や看護師からしていてご本人も医師なのでわかっているはずであって、

・・・・・・

その後、彼の話を20分、聞きました。

昨日の状態、朝から。お孫さんが来て色々話したこと、医師の家族はどんなものかということ、お父さんの話、戦後の話、昔うちの病院にいた医師の話、自分が以前入院したときの話。そして今回肝機能が下がったと聞いて凄く驚き怖くなったこと、毎朝の回診もなく医師からちゃんとした説明がないこと。

聞きながら、はたと気付きました。

あ、私、偏見持ってた。

この人、医者なんだからわかるでしょって思ってた。

わかってても、怖いものは怖い。

辛いものは辛い。

普通に考えて、下痢をしている状態はきつい。

検査がどうのこうのというのはおいておいて、その辛い状態を看護師に伝えたのに更に下剤を持ってこられたら?

そりゃ怒るでしょう。

私の言葉には気遣いがなかったし、下痢は下剤飲んだんだから当たり前だという思いもあった。

彼の怒りは当然の事なんだ。


後半はただひたすら謝罪。

朝部屋に入ってから、彼はずっと私を見ませんでした。顔をそっぽ向けているので、そちら側のベッドサイドに回ったら今度は反対を向いてしまった。

でも、謝り続けて、最後の5分くらいは私の方を向いてお話してくれました。笑顔も見られるようになりました。

「いや、私もね。聞いて欲しいと思ってね。昨日すぐに医師に確認しに行っちゃったでしょ。その前にもっと詳しく聞いて欲しかったんだ。忙しいのはわかるよ、隣にバイパップもいるんでしょ? でも聞いて欲しくてさ」

ごめんなさい。

逃げた自覚、あります・・・。

いけない。

救急病棟は忙しくて、看護師達は彼のように少し話をしたいという患者さんを避ける傾向があります。

優先順位はあるけれど、だからといって患者さんから逃げていいわけではないのに。


検査は自分が望んだんだし、頑張りますよ、と彼は言ってくれました。

今回の事で、なんだか色んな事を教わった気がします。

すっかり忘れてしまっていた8年前の初心とかね・・・。

偏見を持たないこと、忙しさに逃げないこと。

患者さんの立場に立つこと。

これらは当然の事。でもいつもそれを念頭においていた新人からの頃から4,5年目になると、徐々に薄れてしまいがちと言われています。

自分がリーダーの立場になって、新人さんたちを指導するようになると、彼らのそういうきらきらした「患者さんのため」という思いに私達もその初心を胸に思い起こすことが多い。

ここは、救急病棟。新人さんは入ってきません。一番下は4年目の看護師。その次がもう、私を含む8年目の年代。

毎年4月には必ず思い起こされていたあの初心。彼が呼び戻してくれました。

忙しさに負けてはいけない。

ゆっくりは聞けないかもしれないけれど、じっくりと聞くことはできる。

入職のときの自分の言葉を、忘れないように。

これからも、頑張ります。


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2009年5月11日月曜日

聞いて欲しい CF前夜編



久し振りに、患者さんに怒られました。


昨日から今日にかけての夜勤。

BIPAPはいるわ、入院押し寄せるわ、不穏だわで結構ばたばたしていました。

そんな中、大腸検査(CF)をする方に、前処置の下剤を昨日の夜持っていった事がそもそもの発端でした。

あっここからちょっと看護師さん以外は気分を害するかもしれません・・・「大腸」という言葉自体で気分を害した方は読まないほうがいいかもです。ほんとの下ネタになっちゃうので・・・

さて、その方は70歳代の男の方。以前うちの病院の小児科医を勤めていたらしいです。ちなみに、話しだすと止まりません。

お医者さんなので、大体のことはわかるでしょう。日勤さんが大腸検査について説明してくれていて、私は検温と一緒に下剤をもって訪室。

検温を済ませたあと「これが、前の晩に飲むお薬ですよ」と下剤を差し出しました。

すると、

「今日は昼過ぎから下痢をしてしまって、疲れてるんですよね・・・」

と溜め息。入院後5日間お通じがなく、前日にも下剤を内服していたそうです。それがちょうど効いて、やや軟便だったとか。

「そうなんですか・・・。明日の検査は、もっと下痢みたいになって、色がつかないくらいまで出し切ってから行うものなので、更に下剤を飲まなきゃならないんです」

と都。

「今日は孫も来て色々あって、精神的にも疲れているんです」

と、Aさん。

ぅん? 

お孫さん??

「下痢の状態でそれを飲んだら更に下痢になりますよね?」

「検査自体が、わざと下痢をさせて出し切ってから行うものなので」

「それはわかってます。私も医者ですから。ただ下痢にさせて私を苦しませるのかということを話しているんです」

・・・・・・

え、だってCFってそういう検査・・・。

下痢は辛いけど、下痢しなきゃできません。お医者さんならわかるはず。

下痢が辛いからやだというなら、そもそもCFなんてできません。

「この検査は私がお願いしてやってもらうものなんです。それはわかってます、けどね、延期にはできないもんですか?」

とA氏。

延期にしても、そのうちやるつもりならいずれは下痢の状態と戦わなきゃならないんですよ?

「これ以上下痢するのは辛いんですね・・・。そしたら、土日なので今日はAさんの担当の先生はいないんですが、当番の先生に聞いてみますね」

と言って、オンコールDr、トップから2番目の医師に恐々相談。

「飲ませないで、明日の朝主治医相談でいいんじゃないの」

あっさり言われて、ほっ。

でAさんの所に行くと

何故か

既にお怒り

「薬持ってきてください! 仕方ないですから飲みますよ。やりますよ。やるしかないんでしょ!」

怒鳴る。

「いえ、今先生に聞いたら、今日は下剤飲まずに明日延期か中止にできるか朝主治医の先生に聞いてみるでいいですよって」

「いいんです、もう好きにしてください。やるしかないんですから。やりますよ」

えー!?

これは逆ギレと言っても良い状況??

下剤を飲むこと拒否して、医師もそれなら飲まなくて良いと言ったのに、「飲めと強要された」ばりの勢いで怒ってる。そして「薬を持ってきなさい!」と命令。

「いいんですか? 無理に飲まなくてもいいんですよ? もしやるとしたら明日またお水の下剤を2L飲まなきゃいけなくなるんですよ?」

もうどちらかといえばこれで下剤効きすぎて更に朝お怒りをくらうよりは、CF延期の方がよほどいい。思わず都、延期の方向に誘導。

でも彼、頑として「飲みます」

じゃぁ・・・それこそ、仕方ない・・・。

といって、ラキソベロンという薬を1本内服。

これの効き目、結構凄いんです。それがわかってるからこそ、更なる下痢の到来を恐れる都・・・だってこの方下痢したら絶対更に怒る・・・。下痢になるための前処置なんだから当たり前なのに。

先生、ちゃんと説明しなかったのー!?

下剤飲んだ後、すぐに「電気を消して下さい」と怒られ慌ててぱちん。

彼は眠りにつきました。


さて、朝を迎えてからの話はまた今度。

夜勤明けの都、そろそろおねむです・・・


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2009年5月3日日曜日

ようなし


胃痛、大分よくなりました。都です。

先日、私アンギオ室勤務で脳ステント挿入の介助についたんですが・・・

医師が3人いて、最初にバルーンカテーテルを入れて前拡張して、そのあとガイドワイヤーとステントをいれ、最後にまたバルーンカテーテルで後拡張。

その最中、抜いたカテーテルは不要になります。

医師のうち、一番若い(といっても30代後半の医師)が

「これもういりませんか?」

と上の医師に確認。

「あーいらない。捨てていいよ。用なし用なし」

用なしって今時言うか、と内心苦笑していた私の耳に、そのカテを持ってバイオハザードのゴミ箱に向かう若い医師の声が、ぼそっと。

「洋ナシタルトか・・・」

洋ナシ

たると??

・・・・・・

・・・・・・!!

都、心の中で大爆笑。

でも皆真面目に処置していて笑わない(絶対上の先生聞こえてたのに!)。

言った先生も真面目な顔。

先生、面白かったですよー!


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